和裁士からの伝言板

和裁士の「はたる」です。一級和裁技能士が着物や和裁のあれこれを綴ります。

自己紹介

一級和裁技能士の「はたる」です。

現在、名古屋市名東区の(株)後藤和裁で働いています。

このブログでは和裁の技術や和裁を学んで思う事、着物への想いなどを書いていこうと思います。

全て僕個人の意見です。

 

さて、初回なので僕の事や、今ブログを始めるまでの経緯などを書いてみたいと思います。

 

出身は新潟県長岡市。1982年3月生まれ。

高校は工業高校の電気科。大学は工学部の電気電子工学科。

大学ではサークル活動に専念。オーケストラでヴィオラを弾いていました。

それまでは音楽は苦手でしたが、何故かオーケストラに。楽譜などは全く読めません。

楽器を選ぶといっても菅は無理だし、チェロは大きい、コントラバスは大き過ぎ、ヴァイオリンは希望者多いし、え?ヴィオラ?何それ?ヴァイオリンと同じでしょ?じゃあ、それで。

その程度。

が、しかし、ハマりました。

ずっと弾いていました。

練習を頑張ったおかげで、楽しんで弾けるようになり、無事に大学を中退いたしました。

4年目の夏にね。

 

中退する前に次の道を探さねばと思い色々考えました。

なんとなくですが、日本の伝統的な仕事がしたいと思っていました。

地元の長岡市は花火が有名で、花火師になりたいと以前からうっすら思っていたような、うん、なりたい。

という事で、いくつかの煙火工場に問い合わせましたが全て門前払い。

サクッと諦めて次を探しました。

 

ネットでウロウロ。

ふと目に入った赤い振袖を見て、

あ、着物綺麗だな、じゃあ、これで。

その程度。

いくつかの縫製所をネットで調べて、結局は1番初めに目に入った後藤和裁に問い合わせ。

名古屋ってどこ?何県?まぁ、いいか。

見学に行ったら、入りたかったらどうぞって感じだったからここで決定。

 

大学を辞め、大好きだったサークルも辞め、半年間派遣の仕事。大切に弾いてきた楽器は後輩に売って新しい生活の資金に。

4月に名古屋へお引越し。彼女と共に。

あ、ここ深く突っ込まないでください。話が長くなりますので。

 

で、和裁生活が始まりました。

 

卒業までは5年ですが、一級の和裁技能士の資格を取るのには6年かかりました。

非常に不器用で、色々な作業を身体が覚えるまでにとても時間がかかりました。

全然綺麗に縫えない。紆余曲折しかない。

しかしながら自分で選んだ事。

辞められない。

辞められる訳がない。

もう進むしかない。

周りの方々に支えられなんとか一級技能士の資格を取りました。

 

資格を取ってどうなったか。

何も変わりませんでした。

毎日縫う。

色々な物を縫って経験を積む。

少ない仕立て代、ギリギリの生活を維持する為に縫う。

衰退していくこの業界を見ながら。

 

中学、高校、大学でもっと勉強していれば…

今でも高校や大学の新学期が始まる夢を見ます。

勉強しなければ。

電気回路の公式を覚えなければ。

微積の問題を解かなければ。

そんな夢を。

はっきり言って後悔が大きい。

でもそれは自分のせい。

もう戻れない。

 

未来に光はあるのだろうか。

分からぬまま過ぎる時間。

趣味である囲碁の情報収集のために始めたTwitter

着物の事は二の次だったけれど、そこには沢山の着物好き。

呉服屋からの仕事を多く扱うため、お客様とは直接会う事が少ないのです。

それ故に、着物を着た人の声は届かない。

しかしTwitterには溢れていました。

 

「未来に光はあるのだろうか」?

何を馬鹿な事を。

既にそこらじゅうで光り輝いていて、ただ自分がその中にいないだけでした。

自分も着よう。着て出かけよう。

 

着物を着てオフ会に参加したり、囲碁を打ちに行ったり。

そこで驚いたのは、あまりにも低い和裁士の認知度でした。

ワサイって何?

作るって織るの?染めるの?

え?縫う?ミシンで?

 

何故こんな事に。

答えは簡単。知ってもらおうとしていないから。

呉服屋からの仕事を淡々とこなすだけ。

これでは知られる訳がない。

 

和裁の技術は奥深く、面白く、非常に便利なもの。

この技術を沢山の人に知ってもらいたい。

この技術をもっと活用してもらいたい。

この技術はすごいんだということを伝えたい。

 

和裁士である自分の未来を光らせるのは、和裁士である自分自身のみ。

 

 

こんな感じで熱い(ウザい?)想いを伝えていこうかと思います。

はっきり言って、発信とか苦手なんです。

そういうのが苦手なので人間以外の物を扱う仕事を選んだのです。

文章書くの苦手なんです。

計算してる方が好きなんです。

だから上手くは出来ません。

でもやります。

見ていてください。

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