男単長着を男単羽織へ仕立て替え その3
マチ付け
マチとはなんぞや?と思う人もいると思います。
漢字で書くと襠、または衣へんに当です。
マチ付きバッグと言うと分かる人が増えるでしょうか。
幅を作り出すための側面部分の布の事です。
はい、付けました。
単の羽織の後マチ付けは裾の所が特殊なんです。
面白いけど省略。
裾くけ
裾の始末です。
今回は省略。
袖
袖は割り入れをしないといけません。
布の巾は35㎝しかありません。
昔の生地は狭いですね。
このため肩巾も希望の寸法にできていません。
肩巾で足りなくなった分を袖巾で補わなくてはいけないので全然足りないのです。
前落としの布を接ぎ合せて袖布の巾をひろげます。
これで十分な袖巾を確保することができます。
ピンクのマチ針の所で縫ってあります。
拡大した写真です。
ちょうど縞の境目で縫いました。
出来るだけ目立たない様にします。
どうでしょう。
分からないでしょ?
口布付けて、口下縫って、袖底縫います。
丸み絞って、表返して、躾入れて、口布の始末して袖の完成ヽ(*^∇^*)ノ
この様に、柄によっては割り入れは全く目立たなくなります。
肩当て布
単の場合は着物でも羽織でもコートでも、衿肩明の部分に肩当て布を付けます。
形・大きさは様々あるようですが、僕が付けるのはコレです。
三日月と言っています。
呼び名も様々なのでしょうが、餃子になりがち( ˘ω˘ )
付けました。
乳(ち)
羽織紐を通す環の部分です。
これ、男物と女物で形を変えます。
写真は男物になっています。
この向きが男物。
この向きが女物。
男物の角帯は10㎝程度の巾ですが、その2倍程の男帯もあり、その帯は半巾に折って締めます。
半巾に折った「わ」を上にして締めるのか、下にして締めるのか。
帯刀する事を考えると「わ」が下だと刀が帯の折り目の中に入ってしまう事があります。
「わ」が上なら入る事はありません。
この様な理由から、主に紐ですが、「わ」と「わでは無い」部分があるものは男物は「わ」が上向き。
女物はそれと区別され「わ」が下向きです。
男物は入りません。
女物は入ります。
今回はここまで。
次回は衿ですね。