和裁士からの伝言板

和裁士の「はたる」です。一級和裁技能士が着物や和裁のあれこれを綴ります。

男袴の丈直し

今年の初めに購入した袴の丈が長かったので直しました。

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本来なら着物を着た状態で確認するべきなんですが、帯を仕事場に持って行くのを忘れてしまいました(-_-;)

 

以前穿いた感じだと3〜4㎝短いと丁度良い気がしました。

 

この袴は馬乗袴という形状で、脚が左右に分かれています。

左右に分かれていなくて、スカート状の袴は行燈袴と言います。

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ぱっと見は馬乗か行燈か分かりません。

裾をめくると分かります。

 

ヒダを広げると片脚でこの位です。

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ぐるっと170㎝位。

かなり深いヒダを作るので沢山の布を使っています。

 

今回短くするのは3㎝程なので、裾を切ってしまいます。

裾を切らずに直すとなると、前紐と腰板を外して付け直す事になります。

しかも投げを折り直さなければなりません。

ものすごく時間がかかってしまいます。

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図のように、腰板の高さを下げると腰巾が広がってしまいます。

でも腰板の巾は変えられません。

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投げの角度を変えて腰巾を腰板に合わせる必要があります。

めっちゃ大変。

 

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裾のくけ代に沿って切り落としました。

 

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1㎝程の三つ折りになっていて、赤ラインで切り落としたので3㎝程切り落とした事になります。

この後同じ様にくけ付ければ3㎝程短くなるわけです。

 

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左右とも切り落としました。

 

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この様になりました。

 

今回は少し短くするだけだったので裾を切って済ませましたが、もっと短くする場合や長くする場合は前紐と腰板を外して直さなければいけません。

裾には縫い代がありませんので、長くする場合は上に縫い代があるかどうかの確認も必要ですね。

 

26日にこの袴を穿いて出掛けます✨

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